トランス脂肪酸の全面的規制に乗り出したニューヨーク
ニューヨーク市保健精神衛生局は2006年10月26日、市内の飲食店から「トランス脂肪酸」を大幅に減らす計画を発表しました。トランス脂肪酸はマーガリンや調理用植物油、菓子などに使われるショートニングなどに含まれ、「トランス脂肪酸」の取りすぎは血液中の「悪玉コレステロール」の増加につながって心臓病の原因になるとされます。
現在、米国人は一日平均6グラム前後の「トランス脂肪酸」を摂取しているとされます。一食で10グラムのトランス脂肪酸を含む場合もあります。
市は2005年8月、トランス脂肪酸の取りすぎに警鐘を鳴らし、市内の飲食店に食用油などの自主的切り替えを促してきましたが、切り替えはごく一部にとどまったため、 今回の措置に踏み切ったわけです。一方、AP通信は、法律で規制されていない製品の全面禁止はとうてい受け入れられない、とする市の飲食店協会幹部の反応を伝えました。市は10月末に公聴会を開き、市の健康問題委員会は12月5日、同市内の飲食店24000店に対し、トランス脂肪酸を含む食用油の使用を全面的に禁止する決定を行いました。これまでにトランス脂肪酸に関し外食産業を中心に利用を差し控えたり禁止する措置が採られていますが、地域レベルで禁止措置が採られるのはアメリカでははじめてだといいます。
規制は二段階に分けて行われます。まず2007年7月までに、フライ物、マーガリン、ショートニング、食用油が1人あたり0.5グラムまでに制限。さらに2008年7月までにはイースト菌などのパン生地、ケーキ用のバターオイルにも適用されます。